プラーナでは、今までホームページ上での不審者情報の公開は苦渋の選択の末に控え、その代わりに警戒を呼びかける啓発メール内での発信や、里親詐欺防止ネットワーク加盟サイトに情報を提供したり、全国の皆様からご相談・お問い合わせを頂いた際に不審者リストから照合し、ご相談対応の形でお電話にて、その都度個々に情報をお伝えする形を取って参りました。
どなたでも気軽に閲覧出来るホームページでも公開して少しでも被害を未然に防ぎたいという思いは勿論強くありましたが、里親詐欺問題の第一人者として被害防止活動を先導してきた私達ゆえ、私達が発する里親詐欺関連の不審者情報は良きにつけ悪きにつけ多方面に影響を及ぼす可能性を考慮せねばなりませんでした。
そのため、どうしても広く不特定多数の人の目に触れるホームページでの不審者の情報の発信は慎重にならざるを得ませんでした。
まず、情報提供者あるいは被害に遭われた方をお守りする観点からが一点。
これは、最近の里親詐欺は虐待目的の個人による騙しとりが増えておりますが、これまでの里親詐欺は裏社会の業者が背後に絡んだ、動物実験や皮革のための騙しとりが主流だったため、情報を提供して下さった方や被害に遭われ当会にご相談してこられた方が、里親詐欺の実行犯や業者らから逆恨みをされないよう、被害者保護の観点から慎重な対応を要したためです。
二点目は、上記に絡み、被害者の方に情報の公開にご理解頂けない場合があったことです。
「情報の提供はするが(自分が情報を提供した事が事例の状況から里親詐欺らに気付かれるのが嫌だから)広く目に触れる公開はしてほしくない」「情報公開のような おおごと にしたくない」と言われる方も残念ながら少なくありませんでした。
三点目は個人の特定に絡む観点からです。
多くの目に触れる公の場での不審者情報発信の際は、不審人物の個人の特定を避けるため個人情報の取り扱いに充分配慮せねばならないのは言うまでもありませんが、例え個人特定に繋がる詳細情報を伏せたとしても、事例によっては状況から個人特定が出来る可能性もございます。
実際に、被害状況の内容を是非にも伝える必要があり、そのためには必然的に背景を明らかにせねばならない場合も少なくなく、そこから個人特定が可能と判断して公開を控えざるを得ない事例もありました。
四点目に不審者としての扱いの倫理的観点からです。
不審者情報の中には里親詐欺かどうかはまだはっきり確定していない、いわゆるグレーの人物もおり、明らかな里親詐欺と確信できる事例でなければ安易に情報発信が出来ないという問題もあります。
ただ、少しでも不審な点があれば譲渡はすべきではありませんし、注意も当然必要です。
そのため、情報発信の前に充分な情報収集と調査に務め、動向を見ながら発信に踏み切ったり、里親詐欺とは確定していないが不審な点があるという前提の元で扱いに気をつけて発信したりしておりました。
しかし、情報収集に務めても他から被害報告が出てこず、調査の結果、里親詐欺ではない可能性が生じたり、譲渡する側とされる側の双方に問題があることに起因する譲渡トラブルが疑われたりと、公開を控えた例も少なからずございました。
このように不審者と特定できない事例も多く、取り扱いには慎重を要することも一因です。
また、里親詐欺は私達からすると憎むべき犯罪者ですが、その人物が実際に検挙され罪状が下されて初めて、社会的に犯罪者となる訳で、法的に被告となっていない人間を公の場で不審者として犯罪者扱いすることは人権侵害や名誉毀損に繋がる可能性もあり、広く情報を公開する難しさがここにもございます。
五点目に里親詐欺らの手口を公開することにより模倣犯が出てきたり、里親詐欺らに「こうしたら足がつく」と皮肉にも教えてしまう結果になることへの懸念です。
今から15年程前、かつて里親詐欺被害がネットの普及と共に爆発的に増えた時期がございました。彼らの犯行手口が時を追うごとに巧妙になる傾向があり、出来るだけ彼らにこちらの防衛策つまり被害防止のための手の内を知られたくなく、一時は警戒を呼びかける情報発信にも注意に注意を重ね、彼らの目に届かぬよう試行錯誤したり、また、巧妙化する彼らの手口の上を行く防衛策にするために、日々全国から寄せられる被害例を元に、防衛マニュアルを強化・進化させていく事にも尽力して参りました。
今からすればそれらの様々な尽力が、今や全国に浸透し里親探しの基本となったプラーナ方式といわれる防衛マニュアルをより強固なものへと定着させていくことに繋がり、結果として全国で沢山の動物達の命を救うこととなった訳ですが、同時に、私達はいたちごっこのように、彼らが更に手の混んだ手口に進化していくことへの懸念をいつも背負っていなければなりませんでした。
また不審者情報を公開することにより、彼らが自分が不審者としてリストアップされていることに気付き、偽名を使うようになったり、引っ越しをしたりして、別人になりすまし、また新たな被害が生まれることにも警戒せねばなりませんでした。 彼らが不審者としての情報通りの名前や電話やアドレスをいずれかでも使っていれば事前に気付き、未然に被害を防ぐことも可能ですが、数多い里親詐欺犯らそれぞれが犯行ごとに名前を変えたり頻繁に電話番号を変えられたりされてしまうと、不審者リストに無かったから大丈夫だろうとそれ以上の警戒感を持たぬ一般の里親探しの方々が被害に遭う可能性が一気に増えてしまいます。
(そこで私達はネットで里親探しをされておられる全国の方々お一人お一人に直接里親詐欺の存在を知らせる警告メールをお送りして、ここで不審者の情報をお知らせする策を取り、約二年間連日連夜1日たりとも休むことなく送信活動を行いました。
この二年間の送信活動により被害をほぼ未然に抑えることが出来、年間被害数も一割以下にさせることが叶いました。)
このような様々な理由から、ホームページという媒体での公開を今まで長きに渡り、不本意ながら控えてきた次第でした。
しかしながら、少しずつ時代がネットへ比重を移し、今や誰もが気軽に情報発信できるようになり、情報公開のハードルもずいぶん低くなりました。
前述のように、実験目的の業者による里親詐欺は啓発メール活動以降、下降を留めているものの、最近になり虐待目的の個人による里親詐欺が台頭してくるようになり、今一度再び啓発メールの発信活動を再開出来ればと思うに至りました。
しかしながら、送信ボランティア募集ページにて詳細を記しておりますが、この活動には人数が必要です。
最低でも20人は欲しい所でありますが、中々継続的なお手伝いになるため人数が集まりません。
そこで体制が整い啓発メール送信活動再開が叶うまでの間の対策として、長年控えてきたホームページでの不審者情報の公開にこの度、踏み切ることになりました。
しかしホームページでの情報公開も広く目に触れるという被害防止の上での利点がありますので、状況を見ながら今後継続的に公開していくかを考えて参りたいと思います。
あらかじめその点をご了承下さい。
またお伝えして参りましたように、情報提供者・被害者保護、個人特定への配慮、模倣犯防止、倫理的配慮等をはじめ、調査中事例などなど、様々な状況により公開を控えざる得ない場合もございます。
またホームページ上では個人特定への配慮から個人情報にあたる部分を伏せて公開いたします。
これら詳細情報が必要な場合は後に述べるご相談窓口にてご対応させて頂きますのでご了承下さい。
以上ご理解下さいますことを改めてお願いすると共に、重ねがさね、この場で公開されている情報は一部であり、ここに掲載されていないからと安心してしまわず、少しでも不審な点を感じたら譲渡をやめるようにして頂きたいと思います。
プラーナでは里親詐欺被害を未然に防ぐための里親探しや譲渡について、常時ご相談に応じておりますので、不安やご心配がある時はご相談窓口をご利用頂きたいと思います。
(ご相談は御予約制でお電話での対応となります。メールにてご相談内容明記の上、御予約のご連絡をお願い致します。)
また里親詐欺と思われる被害に遭われたり、不審者と思われる事例がありましたら、どんな小さなことでも構いませんので情報をお寄せ頂きたいと思います。
こんな情報はどうかなと思われても、そこから詐欺犯罪の常習が明らかになる場合もございますので、小さな不審も見逃さずご連絡頂けますれば幸いです。
情報公開には細心の注意を払い配慮致しますので、ご安心下さい。
皆様が寄せて下さる情報が次の被害を防ぎます。重ねてご協力をよろしくお願い致します。
プラーナは里親詐欺防止ネットワークの代表世話人です。頂いた情報は当会での発信以外にも、里親詐欺防止に取り組む里親探しサイトの運営者で作るこのネットワークでも、各サイトに情報を提供させて頂き、ネットワーク参加サイト共々、被害防止に努めさせて頂きます。