(プラーナ よもやま話し)
雀の救出

世の中、捨てたもんじゃない!
多くの人々の手によって、一羽の雀の命が救われました。

ありがとう

ある街での出来事
2005年



多くの方々の協力によって、一羽の雀の命が救われました。
犬や猫などの救出は耳にしたことがありますが、今回はそれよりも、小さな小さな雀の救出が行われました。
その一部始終を、皆様にお伝えいたします。


お昼過ぎ、わたくしプラーナ本部事務局長の河村が、代表の岡居とバスを待っていたところ、バス停の屋根を支える柱の中から、何やらカラカラ、カシャカシャと音が聞こえて来ました。

河村: 「なんだろう、カラカラと音がする??」
岡居代表: 「あーっ!雀が中に入って出られなくなってるー!!」
河村: 「えーっ!?」

岡居代表はまるで中が見えているかのように言いましたが、実際にはまだ柱の中を確認できているわけではなく、こんな細い柱に入れるのは、雀しかいないだろうという直感からでした。

この柱の高さは約3mもあって、中は空洞になっているようです。
その柱の中に落ちてしまったと思われる雀は、狭くて羽ばたくことすらできず、もがき苦しんでいるように聞こえました。
中の状況を確認したくて、柱の横にあるフェンスによじ登ろうと試みましたが、わたしも岡居代表も登ることが出来ませんでした。
#このままでは死んでしまう!
岡居代表はすぐさま、近くで工事をしていた工事責任者の方に助けを求めに走りました!
そして、その方に現場を見てもらうと。

工事責任者:
 「こりゃーあかんでー、構造上助けることは無理やわあ、
  救いようがないなー。
  かわいそうやけど、仕方ないあきらめなあ。」

この方がそう言われるのも無理はありませんでした、我々もどうすれば救い出すことが出来るのか考えましたが、いい案は思いつきません。
#でもまだ諦めるわけにはいかない!
この方は仕事中で、工事の途中でもあったため、現場に戻られました。
次に代表は警察に電話をし、近くの派出所に救援を求めました!

早速、2名の警察官が、パトカーに乗って駆けつけてくださいました。
だけれども、皆でいろいろな策を出し合って考えるも、状況が厳しくお手上げです。

岡居代表:
 「消防署に協力してもらうことは出来ないだろうか。」
警察官:
 「そうだね、消防なら救援機材もあるし、彼等はその道のプロ、
  スペシャリストだからね。」

早速、岡居代表が近くの消防署に電話をされました。

岡居代表:
 「雀が柱の中に落っこちていて出られなくなってるんです。
  ね? かわいそうでしょー。
  この雀を助けてもらうこと出来ませんか?」

次に、警察官の方も、消防署に「雀を助けてやって欲しい。」とお願いをしてくださいました。
我々一般市民だけの訴えよりも、警察官の方にもお願いして頂けて、本当に心強かったです。 

しばらく待つと、赤い消防車(救助工作車かな?)がやってきました!
#おーっ、すごいー! 消防車だよ!!
#パトカーに消防車かあ・・・、なんだかものものしくなってきたな。
#まるでテレビで大事件でも見てるみたい!
早速、消防隊員によって工作車からハシゴとライトが取り出され、柱の中を確認してくれました。おっ!パタパタしてる。
これでやっと中の状況がわかります。

消防隊員:
 「いたでー! 雀が落っこってるわあ。
  中でパタパタしてる。
  でも、この入り口の穴、
  小さすぎるなー・・・。」

そうなのです。
雀が落っこちてしまった柱の天辺の穴は、半分塞がれていて、その隙間にはちょうど指が4本だけ入るほどの小さなものでした。
だから何らかの方法で穴の近くまで雀を持ち上げることが出来たとしても、その穴から救出することは至難の業、いや、不可能と思われました。
#「諦めて」って言われるのかな・・・。

消防隊長:
 「柱を破壊するしかないなあ。
  でもすみません。
  かわいそうなんやけど、これが人命に関わることなら
  直ぐにでも我々は出来るんですが、助けてあげたくても
  我々の判断だけでは、この柱を破壊することは
  出来ないんです。」
岡居代表:
 「はい・・・、わかります。」

他にもいろいろな救出の策を皆で考えましたが、消防隊長が言われるように、雀を上の小さな穴から救出することが出来ない以上、柱を切断するしかないだろうという結論に達しました。
#雀のために、ここまで言って頂けるなんて凄い!!

しかし、1つ大きな問題が浮上してきました。
約200Kgもあると思われるこの非常に重たいバス停の屋根は、雀が閉じ込められている柱を含めて、たった2本で支えられています。
そのため、この柱の強度が損なわれるということは、屋根の崩落に直結に結びついてしまい、人命にも関わる第二第三の大きな被害を招いてしまう危険があるため、作業方法や手順については非常に綿密に話し合いが行われました。
その結果、柱を真っ二つに切断することは無理と判断され。
出来るだけ柱の強度が損なわれない位置に、必要最低限の小さな穴を開けることが最善の策であろうということになりました。
ですが、それでも屋根が倒れてくる危険性は高いです。

消防隊長:
 「僕らは切ることしか出来ないので、切るだけだったら
  なんぼでも切れるんですが、切った後のことは僕らには
  どうすることもできないんですよ。
  切っている最中でも倒れてくるという危険性はあるでしょうね。
  ですから、勿論切りっぱなしということは出来ないので、
  切った後どうするのか、そのフォローをバス会社がやってくれるので
  あれば僕らは心置きなく作業出来るんですけどね。」

うーん、バス停を支える大事な柱の切断を、バス会社が許可してくれるのだろうか・・・、まして切断した後のことまで引き受けて頂けるのだろうか・・・。
バス会社に協力する義務はないし、業務の邪魔をしてしまうことになるのだから、あっさりと断られてしまうかも知れない、という不安で一杯になりました。
これらの作業はバス停を管理されているバス会社に許可をいただかなければ、出来ない作業です。

消防隊長:
 「これからバスの管理会社に連絡をして、
  作業を許可して頂けるかどうか確認してみますが、
  無理だったら我々にはどうすることも出来ません。
  申し訳ないんだけど・・・。」
岡居代表:
 「はい、お願いします。」

消防隊長からバス会社へ連絡を取って頂いた後、バス会社から折り返しのお電話を待っていたところ、一人の男性が近くにやってこられました。
なんと!!
この男性は、このバス停を施工された責任者の方だったのです!!
なんて偶然なのでしょうか!?
近くを通られた際に、騒ぎに気付かれ、近づいてこられたとのことでした。
消防隊長から状況をお聞きになった後、

施工責任者:
 「もし補強が問題になっているのであれば、よかったら僕がしますよ。」

我々も消防隊員の方も驚きました!
向こうから具体的なことが飛び込んできたのです。
しかも、切断後のフォローだけでなく、切断中に屋根が倒れてこないように補強するのも、請け負ってくださるとのことでした。
#なんて偶然!このバス停を作られたプロの方が通りかかって、
#しかも気持ちよく協力してくださるなんてーーー!!
#あーーっ!!心臓がバクバクしてきた。
なんて心強いんでしょう!
でも本当に、こんな偶然があるのですね・・・。
なんだか、神様からバックアップされているように感じてしまいました。

但し、この施工責任者のお仲間は、今日のお仕事を終えられて、家路についておられるとのこと。
何度も何度も、携帯電話で連絡を取られていました。
果たして機材とお仲間は、駆けつけて頂けるのでしょうか・・・。

岡居代表のところに、消防隊長がやってこられました。

消防隊長:
 「雀を生きて救出できたとしても、もし怪我をしていて
  飛び立てなかったら、どうされます?」
岡居代表:
 「こちらで保護して病院に連れて行きます。」

即答でした。
これを聞いて消防の方は、心の準備が出来たかのように見えました。

その後、バス会社から2名の責任者の方が駆けつけてくださいました。
これで関係者は、警察官に消防隊員、バス停の施工主、そしてバス会社の担当者と、ものすごい各方面のプロが集結しました。
なんだか恐れおののいてしまいます。

さて、このプロの皆さんによって協議された結果、なんとバス会社の方から切断の許可が下りたのです!
ありがとうございます!
後はバス停を補強して頂ける方が、駆けつけて頂けるのかどうか・・・。

こうやっている間も、バス停には次々に人がやって来ます。
そうしてバスを待つ人の列ができ、やがて赤茶色の立派なバスがその横に停車し、その列はバスの中に消え、行ってしまう。
そんな光景を、何度繰り返し見たことか。
また、バスが到着する度に、車の往来や、バスを待つ人々に事故が起こらないように、警察官やバス会社の方々が、安全を確認されながら必要な場合は車を誘導してくださっていました。

そして、まるでテレビで大事件でも見ているかのような、
そんな非日常的なものものしい光景に、何事かと多くの人々が
見物にこられ、雀が柱に閉じ込められていることを聞いて、
  「えーっ! それはかわいそうねぇ。」
  「雀がー!? いやー、かわいそうやなぁ。」
と、殆どの方が「かわいそう」と言いながら、心配そうな目でその柱を見つめていました。
でもそういう声の反面、残念ながら、
  「税金の無駄遣いや」と捨て台詞のように、はき捨てていく人も中にはいました。
とっさに消防隊員の方々に目をやり、「どうか、聞こえていませんように!」と祈ってしまいました。
だって、こんな言葉を聞くと、胸が痛むと思ったから・・・。


「税金の無駄遣い」 本当にそうでしょうか?
皆さんはどう思われますか?

人間から見ると、余りにも存在が小さくて、さもすれば価値のない命と思われることもあるかも知れません。
でも、警察の方や、消防の方、その他協力してくださった大勢の方々は、
本当に皆さんお忙しいのに時間を割いて駆けつけてくださり、その姿勢は真剣で一生懸命なものでした。
また、警察や消防の方は、出動の呼び出しがあれば、雀の救出のための作業途中であったとしても、直ぐに要請のあった現場に向かわなければならないという現実の中で、協力してくださっていたのです。
もう一度考えてみてください、単純に税金の無駄遣いと、本当にそう言えるでしょうか・・・。
税金の無駄遣いというのは、勤務中に遊んでいたり、私利私欲のために公金を使っていたり、働いていない社員に給料を与えるなど、我々から徴収したお金が社会のプラスにならないところに使われることを言うのではないでしょうか。

人間ではなく、ましてや野生の手のひらにすっぽりと納まるほど小さな雀なんかの命なんて、と、思われる人もいるかも知れません。
だけれども、今回大勢の大人が真剣に助けようとしているのです。
それは、「かわいそう」だから。
ただ、単純に「かわいそう」と思えたから。
そこに、外観(体)の大きい小さいは関係ありませんでした。
目の前で消えかけている命を、多くの人たちが真剣に力を合わせて救おうとしていることは、決して無駄なことではないと思うのです。
現場には、多くの子供たちも見物に来ていました。
この出来事を通して、命の大切さや、人々の思いやりの心や、他の命への労わりの心、人々が力を合わせるとこんなにも大きなことが出来てしまうということなどを、1人でも多くの方に感じて頂けたのであれば、これは決して無駄なことではなく、それどころか非常に意味のあることではないでしょうか。
だから、税金の無駄遣いではないと思っています。
それよりも、価値のある立派な行動を見せて頂いて、そんな皆様のことを心から敬愛し、誇りに思っています。
そして、我々プラーナの使命は、この出来事を多くの人々に伝え、考えてもらうことだと感じています。


しばらくすると、トラックに乗った5名程の方が、補強する資材などを積んで、駆けつけてくださいました。
#わーっ、よかったー!
#家でゆっくり休まれていたのに、駆けつけてくれたんだ、すみません!
これで、本当に雀の救出作業に着手できます。
この方達は、現場を見るなり早速トラックから資材を降ろされ、作業が始められました。
すると、見る見るうちに、補強のための足場が出来上がっていきます。
#すっごーい!
#私の好きなテレビ番組「プロジェクトX」を見てるみたい!!あっという間に、補強が出来上がっていきます。
段取りのいいテキパキとした作業を、私も代表も尊敬の眼差しで見守っていました。

あれれっ!?
作業されている中に、見覚えのある方が・・・。
それは、最初に岡居代表が声を掛けて 「あきらめなあ」 と言われた、工事責任者の方でした。
この方は、お仕事が終わられた後、雀のことが気になって、現場に駆けつけてくださっていたのです。
見ていると、自分から進んで必要な物を運んできては、作業が効率よく進められるように、現場を手伝ってくださっていました。
会社や組織という垣根を越えて、積極的に協力し合う姿を見せられ、本当に感動させられました。 そんな素敵な心を見せられて、涙が溢れそうにもなりました。

気が付くと辺りはどっぷりと日が暮れて、完成した補強の周りに取り付けられた赤いピカピカ光るライトが、目に飛び込んできました。
バス停の補強は完成です。
そして、今度は消防の方達にバトンタッチ!
すぐさま消防隊員が、とっても身軽な足取りで、ぴょんぴょんっと組まれた足場に登られ、雀がまだ生きていることを最終確認されました。

そして、いよいよ柱に穴が開けられることに。
#雀さん、待っててねー!
穴の位置と切り込み方についても、慎重に話し合い決められ、切り込みする箇所にマジックで線が描かれました。

消防隊員の方々によって、工作車から柱を切るためのエンジンカッター機材が運び込まれ、隊員さんは黄色とオレンジ色の上着をまとわれ、頭にはヘルメットを付けられました。
本格的にものものしくなってきました。
それを見た途端、私達も一気に緊張が高まって、
「うわっ!本当に大変なことになった!」
と、心臓が飛び出してしまいそうなほどバクバクしてきて、腰が抜けてしまいそうになりました。
テレビで見るよりも、当たり前ですが現実的で、もっと迫力のある光景です。

消防隊員の方は、雀に与えるストレスを考慮して、音の小さな工具を準備してくださいました。うーん、音は小さいけど動力弱いから無理だな・・・
そして、早速作業が始まりました。

皆が見守っています。
ガガガガガーーーッ!
ガガ、ガガガガーー!!
思った以上に柱は強固で、動力の弱いこの工具では、歯が立ちませんでした。
そのため、エンジンカッターに切り替えられることに・・・。


消防隊員:
 「皆さん危ないから下がって! 下がってー!」

ギュイーン、ギュイーーーンッ!!
エンジンカッターのスイッチが入れられたとたん、辺りにものすごい轟音と、柱から火花が飛び散りました!
我々は、あまりの轟音と、スパークする様子をみて、雀がショック死するのではないかと、生きた心地がしませんでした。
こちらの方が気絶してしまいそうになったほどです。
岡居代表と2人で硬く手を握って、2人共半泣き状態で、ただ雀の無事を祈ることしか出来ませんでした。
#お願い! どうか神様、雀が無事でありますように・・・。
どうか神様、雀が無事でありますように!

何度も何度も、エンジンカッターが入れられました。
ギュイーン、ギュイーーーンッ!!
ギュインギュイーーーンッ!!
はーっ、どうかな?穴は開いたかな?
うーん、まだまだだな。
ではもう一回。
ギュインギュイーーーンッ!!
その都度、火花がバーッ!!っと、辺りに飛び散ります。
2人で、ひえーっと寄り添い小さく叫んでいました。
今度は10秒ほど続きました。
私達でさえ、こんなにも恐怖を感じてしまうのだから、雀はどんなだろうか。
柱の中に火花が入っていないにしても、熱くないか、爆音に驚いて暴れ傷ついていないか、心配でたまりません。
どうか無事でいて、どうか、どうか、どうか無事でいてー!

柱の中に火花が入らないように、何度も何度も切り口を確認しながら、慎重にエンジンカッターが入れられました。
その度に、生きた心地がしませんでした。
とにかく無事でいてくれることを祈りながら、我々には見守ることしかできません。
そして、やっと切り込みの作業が終わったようです。
エンジンカッターから、見たことのないほど大きな大きなバールに持ち替えられ、穴を押し広げる作業が行われました。
次も非常に慎重さを必要とする作業で、また柱も強固なため、難しそうでした。
日々厳しい訓練をされている消防隊員の方によって、なんどもなんども力を加減しながら、慎重にちょっとづつ穴は開いていきました。
ついにその穴が押し広げられ、まるで缶詰の蓋が開いたように柱に穴があけられました。
雀は無事なのでしょうか。
固唾(かたず)を飲んで我々が見守る中、消防隊長が静かにゆっくりと穴に手を入れていきました。
そして・・・・!!
消防隊長の方が穴から手を出したまさにその瞬間!!
雀が外に向かって羽ばたいて行きました。
それはほんの一瞬の出来事でしたが、私達にはまるでスローモーションのように、空に向かって大きく羽ばたいていく雀の姿が見えました。
あっ!無事だったんだー!!
そして、集まっていた関係者や周りの皆から拍手や歓声が湧きあがりました。
緊張が一気に抜けて、膝からガクッと崩れ落ちそうになるのを堪えながら、岡居代表がしっかりと、かつ精一杯の声で
 「本当に、ありがとうございました!」
 「○○さん、本当に、ありがとうございました!」
と、関係者の方々お一人お一人のお顔を見て、深々と頭を下げ、感謝の言葉を伝えていました。
私もその横について、溢れてくる涙をこらえながら「ありがとうございました」と一緒に頭を下げました。
これは、この現場を最後のお一人が無事帰られるまで、感謝と労いと、そして尊敬の意を込めて、心からお見送りさせて頂きました。

皆さんに駆けつけて頂いたお陰で、雀が助かることができました。
きっと、皆さんの思いが雀に伝わったのでしょう。
雀もよくがんばってくれました!
今回御協力して頂いた皆様に、心より感謝申し上げます。

また、協力してくださった方々が、御家族や御友人、お仲間に
 「一羽の雀を助けるために、バス停の柱を破壊したんやでー、
  ほんまにもうー。」
と、少し誇らしく、少し楽しく思って語ってくだされば、我々も救われます。
それにしても、元気に羽ばたいて行く雀の姿を、関係者の皆様が目にすることができて、本当によかった!
雀もよくがんばったね!みんなに助けてもらえてよかったね!
皆さんが帰られた後のバス停


今回の出来事を通して

今回の救出では、本当にいろいろな偶然が重なりました。
まず始めに、我々が雀に気付いたのも本当に偶然でした。
バス停に行ったのも偶然ですし、柱の直ぐ横に立ってバスを待っていたから、その音に気付くことが出来たのです、もうあと30cmも離れていたら聞こえなかったことでしょう。そんなかすかな音だったのです。
その他にも、

警察官が最後まで見守ってくださったこと。
 このことによって、皆様も腰を上げて頂けたのかもしれないと思っています。
お忙しい警察官や、消防隊員の方々に、最後まで緊急呼び出しが入らなかった こと。
バス停を施工された責任者の方が通りかかり、声を掛けて頂けたこと。
 そして、救出のための案と御協力を申し出て頂けたこと。
バス停を補強してくださる方が見つかったこと。

などなど。
これら沢山の偶然のうち、どれか一つでも掛けていれば、雀を救出することが叶わなかったかも知れません。

勿論、こうやって救出される命がある反面、日々日本で殺処分されている多くの動物達がいるという辛く悲しい現実があることを、我々は充分痛いほど知っています。
だからこそ、目の前の命を助けたいのです。
プラーナの我々にとっては、人の命も動物の命も等しく大切な命ですが、一般の方々は、「雀なんて」と思われる方も多くいらっしゃることかと思います。
作業に協力してくださった方々も、最初は心のどこかで
 「えー!すずめー?」
と思われていたかも知れません。
でも、皆さん嫌な顔一つされず、快く現場に駆けつけて真剣に作業してくださり、この小さな一匹の雀を助けるために、皆さん一丸となって、組織や会社という垣根を超えて努力してくださいました。
その姿をみて、
「世の中捨てたもんじゃないな!」
と思い、目頭が熱くなってしまいました。
命の尊さやみんなで支え合い協力し合うこと、他者への労わりの心などを、見せて頂いたように思いました。

今回、多くの方々にお力をお借りすることができました。
また、偶然と思えるようないろいろな要因が重なったからこそ、最終的に元気に羽ばたいて行く雀の姿を関係者の皆さんが目にすることができたことを、本当によかったと思っています。
でもこれは、偶然なのではなく、必然なのかも知れませんね。


御協力いただいた皆様へ

警察官の方々へ
いつも街の安全を守って頂いてありがとうございます。
私は警察官の方をこんなにも身近に、かつ心強く感じたことはありませんでした。
また、私達の話に耳を傾けて頂き、御助言や後押しも承り、そして事故が起きないように最後まで見守って頂いて、本当にありがとうございました。

消防署の皆様へ
皆様の日々の御活動には、本当に頭が下がります。
時々、皆様の訓練の御様子を目に出来ることがありますが、そのように毎日毎日訓練されておられるのですね。
目にした時は、本当に感動してしまいました。
また、皆様のお仕事がどんなに危険な場所であるか・・・。
そのような皆様に雀の命を救うために駆けつけて頂いて、雀も無事救出され、本当にありがとうございました。

バス停の施工業者の皆様へ
我々が行き詰まり悩んでいたところに、まるで天使のように現れ、補強への御協力をお申しで頂いて、本当にありがとうございました。
また、従業員の皆様、一日のお仕事のお疲れを癒している、そんな「ほっ」としていた時間にも関わらず、駆けつけてくださり、本当にありがとうございました。
そのテキパキとした姿に、お父さんってかっこいい!!
って思ってしまいました♪
また、穴を開けた柱を補強されるのではなく、お客さまの安全を確保するためでしょうか、後日直ぐに新しい柱に取り替えられていましたね。
御負担も大きかったのではないでしょうか・・・。
基礎からのやり直されておられたので、重たい屋根を支えながらの大変な作業ではなかったかと思います、御迷惑をお掛けして大変申し訳ない気持ちで一杯です。
このような大変な作業を、あれほどまで快くお申し出頂いて、本当にありがとうございました。

バス会社の皆様へ
皆様のお仕事の場であるバス停での出来事にも関わらず、御協力頂きまして本当にありがとうございました。
また、お客様の安全を第一に考えられておられるため、御決断までにはいろいろな確認作業と皆様で御協議されたことと存じます。
その結果、お客様の安全を確認され、御協力を得ることが出来、本当にありがとうございました。
また、新しい柱に取り替えられる間、短い間ではございましたが補強をしたままの状態でしたので、お客様から苦情など来ていないかと、心配致しております。

バスを御利用の皆様へ
雀の救出中と、救出後バス停を補修するまでの間、バス停に入ることが難しかったことと思います。
御迷惑をお掛けして、大変申し訳ございませんでした。
また、温かいお言葉を掛けて頂いた皆様、本当にありがとうございました。


今回、多くの方々に御協力頂き、皆様に心から感謝申し上げます。
また、誰一人お怪我されることなく、無事作業を終えることができて、本当によかった。
これからも、皆様が事故に遭われることなく、元気で御活躍されることを、そして皆様と皆様の御家族のお幸せを、心よりお祈り申し上げます。
本当に、ありがとうございました。



最後に、わたくし河村の個人的意見!

雀に気付いたとき、自分ひとりだったら、ここまで出来ただろうか・・・。
と、考えさせられました。
また、改めてすべての命が等しく平等に扱われなければならない、そんな世の中が来ることを目指して、これからもがんばっていこうと、気持ちを新たにさせられました。

それにしても、消防士ってかっこいい!!
雀の救出中はそれどころではありませんでしたが、後から思い出すと、軽い身のこなしで作業される姿は、本当にかっこよかったです!
もし私が男だったら、私も消防士になりたいな!!

岡居代表も、心の中ではドキドキされていたことでしょう、でも毅然として皆様に誠意をもって、接しておられましたね、岡居代表もかっこよかったですよ♪

動物福祉を改善するための活動をプラーナで行っていると、人間嫌いではないかと思われているように感じることが時々あります。
勿論、動物は大好きです。 でも、人も大好きです!

地球上の命を持つ全ての生き物たちに、幸せが舞い降りてきますように。
そして、全ての命が尊く厳かなものであることに、多くの人々が気付き、紛争や貧困がなくなるだけでなく、心の豊かな社会が築いて行けますように。
そのために出来ることを、プラーナで取り組んで行きたいと思います。
がんばりますので、皆様、応援してくださいね。
よろしくお願いいたします。

(作成者:プラーナ本部事務局長 河村奈美)




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honbu@prana-japan.com



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