活 動 報 告

「地域ステーション岡山



クマとの共存 〜どんぐりプロジェクト第1弾
2004/1/15up

地域ステーション岡山にて取り組んでいましたどんぐりプロジェクト、プラーナからの呼びかけにたくさんの
方がどんぐりを集めてくださり、今回初めてのどんぐり運びが実現しました。人とクマとの共存の第一歩です。


どんぐり運びのためのどんぐり集めは、10月に山陽新聞のメッセージ広告に「野生動物のためどんぐりを集めています」と、プラーナ岡山名で掲載して始めました。
新聞を見た方々からの反響は大きく、四国高松市を始め県内外から多くのどんぐりを運送したり持参して頂きました。とくに邑久町立裳掛小学校の皆さんには一生懸命に、たくさん集めてもらいました。

そして、去る2003年11月30日(日曜日)、午前中は雨が降り、正午を過ぎて曇りにはなったものの、あいにく山の上では霧雨が降るといったぐずついた状態の天候ではありましたが、プラーナ岡山のメンバーと地元の支援者5名で、皆様が集めて下さったドングリを自動車に載せて、県境あたりの奥山に運び、専門家の案内で、クマが確実に食べそうな場所に置いて参りました。そして、クマが出没した痕跡も検証して帰って参りました。
         

近年、森が自然林から杉・ヒノキの人工林に変えられて動物の食料となる木の実が少なくなり、餌を求めて動物が山を下りて人里に出没し農作物を荒したりするようになりました。
そして、その結果、動物達も殺されてしまうことが少なくありません。
ですから動物達が農作物を食べてしまわないよう、そして、彼等野生動物達の命を守るためにも、動物が山から人里へ下りてこないようにするために、この活動は、山奥にどんぐりを置くことを目的としており、動物、特にクマと人間の共存に必要と考えています。                            
ドングリをまいています。
まだまだ山が豊かな森に戻るまでには時間もかかります。
現状では今後も息の長い継続が必要です。
(特定の場所へ定期的に運ぶことはないので、「えづけ」にはなりません。)



どんぐりをまいた周辺の風景です。 場所は違いますが、山の急斜面で、幹が横に伸びているので地面に平衡して見えます。
柿を食べるため、クマが柿木へ上った後で、幹に爪あとが残っています。







クマの食害に悩む農家を視察

9月23日の山陽新聞(岡山方面)に熊のことが掲載されました。

「ツキノワグマ果物被害相次ぐ」

勝央町河原地区で8月中旬から、1頭のツキノワグマに収穫前のピオーネやナシを食い荒らされる被害が相次いでいる。勝央地方振興局などは、保護を第一に捕獲機を設置したが捕まらず、対策に困った住人と町は22日、果樹園全体延べ約3キロを電気柵で囲うことを決めた。

同地区は奈義町境の丘陵地で、生産農家約20戸がピオーネ、ナシなど約4ヘクタールを栽培している。
町などによると、クマの食害は盆すぎから報告され、これまでに5、6ヵ所の果樹園に拡大。夜間に侵入し、一度にナシ5、60個、ピオーネ50房程度を食い荒らすケースが目立ち、損害額は約50万円に上るという。
足跡などから、体長1、3メートル前後、体重50〜60キロと推定。7月に美作町で確認したツキノワグマが移動したとの見方もある。
被害を受けた農業阿黒澄子さん(49)は「山間部で出ていると聞いていたが、まさか近くに現われるとは。サーチライトで警戒している」と話す。
作業中にうなり声を聞いた同坂田芳子さん(72)は「落ち着いて仕事ができない」と不安がる。
振興局や町の依頼で、県環境保全事業団の委託調査員が8月下旬、果樹園や付近の林計4ヵ所に捕獲機を設置したが、捕獲機に誘い込む餌のみつにハチが群がるなど難航。このため、住民と町は折半で計75万円かけ
電気柵で防護することを決めた。
ここ10日ほどは被害が出ておらず、調査員は「ドングリなどが採れ始め、山奥に帰った可能性がある」というが、高級ナシの収穫期を控え、生産者は警戒を緩めていない。
同町は「一地区を保護しても他の地域に移動するだけで根本的な解決にならない。本来の生息地である山間部でクマが食料を確保出来るような取り組みが必要だ」と話している。


(山陽新聞2003年9月23日)

これを受け、地域ステーション岡山のメンバーがボランティアの方と共に
28日現地調査に出向きました。その模様が山陽新聞で紹介されました。

『農家とクマ共存へ調査』
ー保護団体、勝央と東粟倉で被害ナシ園などー

動物・自然保護啓発団体「プラーナ」(本部・神戸市)の岡山地区のメンバーらが28日、ツキノワグマによる果物食害が相次いでいる勝央町河原地区などを訪れ、被害の実態や対策などを視察した。

クマの保護活動に役立てるため、同地区と8月末にクマに襲われて登山者が重傷を負った東粟倉村後山を訪問。
河原地区では約10戸が被害にあったナシ園を見学し、現場の食害状況やドラム缶式捕獲器の様子、防護さくなどを調べた。
プラーナ岡山地区の上岡順一地区長は「現場の調査を基に、クマと果物農家の共存のための解決策を考え、県へ申し入れるなどして共生を支援したい」としている。

(山陽新聞2003年10月1日)

地域ステーション岡山では、熊を始めとする野生動物の保護にも積極的に取り組んでおり、その一環として今後山を豊かにするためのどんぐり集めも行っていくことになりました。
(どんぐりあつめの意図などは、先の岡山主催セミナーで講演頂きました「大地の輪ネットワーク」水野代表の講演内容の中で詳しく述べられておりますので、当サイトの講演集に掲載しております水野代表の講演内容文を参照下さい。)




セ ミ ナ ー 開 催

去る平成15年9月21日に以下の内容でセミナーを行いました。(御案内より引用)

地域ステーション岡山主催セミナーの御案内


(「動物・自然保護」啓発団体)プラーナ 「地域ステーション」岡山 主催
第一回「動物・自然保護」セミナー『熊と人と森を守る』 

近年、猪、熊などが山里へおり害獣の名のもと駆除されています。なぜ生き物たちが危険をおかし里へおりてくるのか。
複合的要因がある中でも、広葉樹林が伐採され、杉・檜等の針葉樹林いわゆる人工林に拡大造林されたことが大きな原因の1つと考えられています。
しかしその人工林も現在は過疎化と資金不足で手入れもなされず荒廃しているのが現状です。
野生動物や自然との共生のために我々に何が出来るのか、何をすべきなのかを考えるため、プラーナでは、奥山に広葉樹林の苗を植樹し野生動物の棲息地を復元し再び生き物たちを山へ返す事で地元住民の熊による恐怖・食害を軽減できるのではないかと、活動を続けておられる環境保護団体「大地の輪ネットワーク」の水野代表をお招きして動物と自然の保護のためのセミナーを開催致します。
皆様お誘い合わせの上、是非この機会に御参加下さい。多数の御参加をお待ちしております。

■日時・・・平成15年 9月21日(日)PM2:00〜PM4:30
■会場・・・岡山国際交流センター3階 研修室
*直接会場へお越しください。聴講無料

■セミナープログラム■

1、基調講演 『自然が育む命』
 
講師 大地の輪ネットワーク 代表 水野百合子氏

***「大地の輪ネットワーク」プロフィール***
地域住民の、熊による恐怖、食害軽減を目指す環境保護団体(2000年9月に設立会員20名 兵庫県)。
奥山に広葉樹林の苗を植樹し、野生動物の生息地を復元。植樹活動・下草刈り・ドングリ拾い・地元との交流を通し、人間と生き物たちとの共存を考える。兵庫県但馬地方を基盤に、他の環境保護団体とのネットワークつくりを目指している。詳細は水野代表。(0794-48-0680)

2、ディスカッション

会場の皆様からも御質問や御意見をお伺いし皆で考える場に出来るよう思っております。

主催/(「動物・自然保護」啓発団体) プ  ラ  ー  ナ  「地域ステーション」岡山 

第一回「動物・自然保護」セミナー『熊と人と森を守る』 と題し行われた 地域ステーション岡山主催のセミナーには、県の御担当の方も来て下さって現状や対応などをお話しして頂き大変内容の濃い有意義な集まりとなりました。
当日講演して頂いた「大地の輪ネットワーク」の水野代表の講演内容はプラーナHPの「講演集」のページにても御紹介致しますので当日参加出来なかった全国の皆様にも是非目を通して頂きたいです。



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