岡居璃叡からのメッセージ


啓発活動の意義
保護活動されている会員様へ


啓発活動の意義
いくら我々が動物達の現状を訴えていても、通常その媒体は主にホームページ(以下 "HP" )になってしまいます。
しかし、動物愛護関係のHPは、動物に特別の関心のある方しかわざわざ見には来られません。
啓発は、今まで興味や関心の無かった人達に知ってもらうことが重要です。
現状を変えていくには、まず知ってもらうこと、これが大切なのです。

以下は、講演のたびに最後にいつも訴えている言葉です。
虐待も殺処分も里親詐欺も、いくらそれはいけないことだと我々が叫んだとしても、保護活動を続けても、根本が変わらない限り解決にはなりません。
では、どうすればいいのか。。。
私たちが出来ること、それは、その現状を多くの人に知ってもらうこと、伝えること、、、そして考えてもらうこと、、、
皆様が1人1人考えて自分なりに結論を出してもらう。
仕方がないという人は、それはそれでその人の考えであるならば、その時我々には非難は出来ない。
でも現実を知り、それを変えようとする人は必ずそれ以上にいます。
いつかその声が波となり、うねりとなり、大きく広がる時、それが人々の意識の変わる時です。
国民の声が高まれば法も変わります。
法だけでなく、1人1人の意識が変われば、生命あるものはすべて種を問わず、痛みや恐怖を感じ、喜びや愛を知るかけがえのない存在であることに皆が気付き、処分のため持ち込まれる子も、虐待される子も、実験される子も減っていきます。
そしていつかそんな過去があったという日が必ず来ます。
1人1人が出来ることは小さいかもしれない。
でも現実を知り、1人が声を上げること、そこから全てが始まることを皆さんに伝えたい。
そして、みんなで、心同じくするもの同志、力を合わせていきたいと思います。
例えば、当会が行っている啓発活動の一つであるパネル展は、基本的には街頭で行います。
道行く人が見てくれます。
今まで、動物達の現状を知らなかった人にも知ってもらうことが出来る有意義な場でもあるのです。
  「あっ、なんかやってる」
と興味から見てくれる人が沢山います。
そして、その場で始めて知り、それから関心を持ってくれる人も沢山います。
パネル展をやっていると、
  「知らなかった」
と涙を流しながら見入っている人をよく見ます。
例え、その日、みんなが立ち止まってくれなくても、
募金が集まらなくても、
ただ1人だけでもそうやって知ってくれる人がいるならば、その日、パネル展をやった意義はあります。
1人でもいい。
知ってもらうこと。
そこから全てが始まるのです。
それが啓発活動の基本なのです。
パネル展は地味で地道な活動です。
でも、そこから地域活動の芽が生まれ、発展していきます。
パネル展を行うことによって、さらにその地域で参加希望者が出て来ますので、仲間が増えていきます。
また、パネル展の場で定期的に顔をあわせることで、心同じくする者同志の輪が強固なものとなります。
そしてそこから、さらに地域活動が発展していきます。
当会で行っているパネル展は、啓発活動と地域活動の基本です。
1人1人の『行動を起こしたい』という意思さえあれば、決して実現は難しいものではありません。
プラーナは今後も、更なる成長をとげようとしている会です。
  「これから、みんなで育てていく」
そんな意気込みで皆さんにも、啓発活動に積極的に関わっていって頂きたいと願っています。
  「私もやってみたい」
  「私達の地域でもあればいいのに」
そう思って下さる方がいれば、是非とも名乗り出て下さいね。


保護活動されている会員様へ
<プラーナの里親審査システムについて>

里親探しで大切なのは、里親詐欺を防ぐだけでなく、この世から無責任な飼い主によって不幸になる子を少しでも減らしていくために、飼い主となる人が本当に
  「動物と人が共生していける社会を作っていくための、
   見本となり礎となって下さる方」
かどうかを見極め、
責任感と動物を飼うということの意識を持っていない人間には飼わせない、という姿勢が大切です。

皆さんも、常々実感して下さっていると思いますが、助けても助けてもキリがない現状を変えていくには、根本を変えていくしかありません。
  「誰でもいいからもらってもらえればいい」
それでは根本を変えるどころか、第二第三の不幸を作ってしまうことにもなりかねません。
そのような保護活動をなさっている活動家の方も、残念ながら決して少なくなく、それによって新たな不幸が生まれている例がとても多く、善意のはずの行動が動物達の新たなる脅威となってきているのが最近我々が思い悩む問題です。
しかし、それを御指導していくことも我々の大切な役目なのです。

啓発活動は、地味にコツコツと積み重ねていくものでもあります。
すぐには成果は見えなくとも、必ずいつか努力は成果となって形になっていきます。
全国の里親探しをしている方々に、里親詐欺の存在を知って頂き、知らずに被害に遭わないように、また、防御するためにはどうすればいいのか、それを伝えるために、全国の里親掲示板で里親募集投稿をなさっている方お1人お1人に警告メールを送信する活動を長年続けています。
毎日の送信は決して楽な作業ではありません。
担当スタッフ達の中には、家庭や仕事、または育児や介護、保護活動などを抱えながらも、どんなに眠くてもどんなにしんどい時でも、決して欠かすこと無く全国主要30サイトの内の自分の担当サイトに書き込みをしている方達に、連日メールを送り続けてくれました。
当初は特に関東方面では里親詐欺の存在がほとんど知られておらず、
  「里親詐欺って何?」
  「なんでそこまでしなければならないの?」
の世界でしたが、日々の努力の甲斐あって、1年足らずで里親詐欺の存在が広く認識されるようになり、今や、マスコミに取り上げられる程に問題意識を持って頂けるようになりました。
勿論、まだまだ真に認識が浸透されている訳ではありません。
これからも大変で地道な作業を続けながら、同時にネット環境にない方々や、一般の方々にも知って頂くためあらゆる努力をしていく必要があります。
でも、このように、例え地味ですぐには成果が出ないように思えることでも、積み重ねていくことがいかに後に大きな成果となるか、御理解は頂けると思います。

また、よくプラーナは厳しいと言われますが決してそんなことはありません。
厳しいのではなく、その子を本当に幸せにすることが我々の使命であり、
責任であるのですから、その子達1匹1匹が自分自身であるつもりで、その子の運命を我が肩に背負っている自覚を持ってあたれば、必然的に「厳しく」なって当然だと思います。

欧米などのペットショップでは、生体販売をしていませんので、動物を飼うためにはシェルターなどの保護施設からもらいうけることになります。
しかし、そのためには厳しい審査があり、本当に責任を持って飼える人間なのか、動物の立場にたって見極めがされます。
欧米では、動物は人間の子供と同じ様な位置付けで考えられているため、まるで人間の子供を里子に出すかのごとくの審査内容となっており、
(勿論、国によって差はありますし、そこまででないところもありますが)
アメリカでは財務証明書の提出も義務づけられているほどです。
だからこそ、殺処分される子も少なく、国民の意識も高い。
日本のようなびっくりするような莫大な殺処分数は、やはり異常と言わざるを得ません。
それもこれも、どんないいかげんな人間でも安易に誰でも飼えるということも、大きな一因の1つとなっているのです。

何でも欧米がいいとは決して思いませんが、学ぶべき所は学び、1日も早く日本でも国民の意識が変わり、殺処分される子や不幸な子が減っていくように、日本でも
  「飼う資格(愛情と責任)のある人間にしか飼わせない」
  「無責任な飼い主を作らない」
そんな努力が必要です。
そのためにも、我々プラーナ自らがそれを示していき、それがこれからの日本の常識となるよう先駆者となって指導していかなければならないのです。
当会会員の皆様もプラーナの一員です。
その責務を当会と共に背負っていかれる人材です。
当会会員様には、これからプラーナの中で勉強を重ねて頂いて、是非、いつかは多くの方々に御指導が出来る存在になって頂きたいと願っております。
そして、プラーナは厳しいと言われても、毅然と、自信を持って、なぜそうしなければならないのかを相手に伝えられるようになって頂きたい。
  「そんなに厳しくしたら里親が見つからない」
そんなことは決してありません。
勿論、里親探しは御縁ですから中にはなかなか決まらない子もいるでしょう。
でも、我々は今までこの方式で里親探しを行ってきて、里親にみんな出しています。
それも里親になって下さった方々は、みんな素晴しい方々ばかりで、良いおつきあいをいつまでもしていけるような良い御縁ばかりです。
また、現在は直接の引き取りは会としては行っていませんが、設立後しばらくは阪神大震災の後の混乱の中、自分達が保護した子だけでなく、仲介も含めて年間数百匹の里親探しに関わり、ほとんど全ての子達を里親に出しています。

厳しくしたら里親が決まらないなんてことは決してありませんし、本当は厳しいという言葉自体が適切ではないのではないかと思います。
新しく会員になられた皆様方には、プラーナがこのような姿勢で独自の里親システムの普及に取り組んでいることを、まず御理解頂いて、保護活動をなさっている方は自らが見本となれるよう実践して下さるようお願い致します。



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