プラーナってどんな会?
生命ある者全ての命の尊厳が保たれ、共生していける、そんな世をつくっていくことを目標にしています。つまり、全ての命に尊敬と感謝の気持ちを持ち、無益な殺生や虐げを行なわないという事です。
これらを指針とし、メッセージの発信を始め様々な活動を展開している、特定の政党、宗教、企業などとは一切関係の無い、非営利の「動物・自然保護」啓発団体です。
プラーナってどんな意味?
サンスクリット語で「命、息吹」を表わします。
サンスクリット語とは、古代インドの文章語で、釈迦の用いた言葉です。
釈迦は、過去の偉人達の中でも特に、動物を始めとして命あるもの全てへの慈しみを1番に重要な事として説いた存在です。その教えは「不殺生」という言葉で、現在でも仏教に関係なく使われています。
この、「何一つこの世に無駄な命などなく生命は皆つながっている」という、生命への尊敬と慈愛の考えが、私達のポリシーと合い通ずる所があったので、仏教や宗教とは関係なく、今後私達が目指す未来への指針となるひとつの素晴しい考えとしてこの教えを捉え、ひとつひとつの生命が尊ばれるようにとの願いを込めて「生命」という言葉をサンスクリット語にしたのです。
他の会とどんなふうに違うの?
生命の尊厳と共生をテーマにしていますので、自然環境の事、地球環境、野生動物や野生植物、食問題(遺伝子組み替え野菜や添加物)、環境や全ての命に優しい医療、等、内容は幅広いものです。
その中でも最も力を入れている事は、人間のエゴで虐げられている動物達の生命の尊さを訴えていくということです。なぜなら、種や姿、形は違えども、この地球上や宇宙レベルで見れば、無駄な命なんて無いはずですから。命は皆、等しく尊いのです。それなのに、人間は自分達が一番進化していて一番偉いと勘違いをしてしまっています。確かに我々は知恵を持っていますが、だからといって人間以外の生き物が人間に劣っているとは決していえません。どの種の生物もそれぞれ我々には無い素晴しい能力や特徴を持っていて、皆、自然の中でそれぞれの役割を果たしているのです。プラーナはその点を強く訴えていきたいと思っています。植物も動物も虫も人間も、生命は皆尊い。それが、プラーナの考えです。
また「動物愛護」や「自然保護」を各々違うものだと切り離して考えず、生命は皆つながっているのだから、野生動物を含めた全ての動物を守ることは必然的に自然を守ることにも繋がり、しいては、人間や全ての生命を守ることになるという考えの元、広い視野で生命を見つめた活動を目指しています。
プラーナのポリシー
【1】 生きとし生けるもの、すべての生命が素晴しいものであることを知る
生命は素晴しいものです。この世には沢山の種が存在し、それぞれが素晴しい能力や特性を備えています。例えば、我々の身近に居る蟻。その移動スピードは、人間の体の大きさにすると車に乗っている位の速さです。また自分の体の何倍もある虫の死骸やお菓子のかけらを運んでいくその馬力はブルトーザー並みです。
せわしく収穫を求め動き回り、そのうちの1匹がごちそうを発見するやいなや、たちまち仲間が応援に駆けつけます。その連携プレーと伝達力における素晴しいシステムには目を見張ります。
私達は普段足元で動き回る蟻に注意を払う事はありませんが、たとえどんなに小さい存在であっても我々の及びのつかない素晴しい世界を持っていることにほんの少し目を向けてみることによって、生命の不思議さや尊さに気付かされるかもしれません。
この地球上に無駄な生命などありません。どの種の生命もそれぞれ自然の中で地球環境のバランスを保つ何らかの役割を果たしています。その役割やシステムが解明されていない生き物もまだまだ沢山いるために、その存在を否定される種もありますが、それもきっといつか全てが明らかになる日が来る事でしょう。
宇宙の中では生命は各々に皆等しく尊いものです。
人間の価値観だけでやみくもに生命の重さの価値を決めつけたりせずに、生きとし生けるもの、すべての生命が人知の及ばぬ素晴しい存在であることを心に留めて、愛情と敬意を持てる人間でありたいと思います。
【2】 人間の価値観を押し付けない
本当の愛護とはどういうことなのでしょう?それぞれの種の特性や習性を理解し尊重することなのではないのでしょうか。決して人間の価値観を押し付けることではないはずです。
守りたい想いが強すぎて過剰な干渉になってしまわぬよう、常にその種の立場からも見つめることの出来る冷静な眼を持っていたいものです。
【3】 自然環境との関わりや生態を視野に入れて動物たちや生命の事を考える
この世に生を得る者は全て、自然と関わらずには生きていくことは出来ません。
(自然とは、植物だけでなく、地球全体を自然という生命体でとらえています。)
宇宙が出来、地球という星が生まれ、やがて、原始の生命体が芽生えました。生命体は各々に形を変え、あるものは植物への進化をたどることを選択し、あるものは動物へと進化していきました。互いに密接に絡み合いながら・・・(つまり、動物も植物も元々は同じ所から生まれてきた訳です。)
そして、地球という命と地球上に芽生えた生命体が、長い歳月をかけて、地球環境を造り上げて来ました。この地球環境の中で生きていけるように、全ての生命もその体をつくりあげてきたのです。
生命を捉えようとするなら、自然や地球環境の問題は切っても切り離せません。
プラーナが動物だけでなく、広い視野で自然を含めた生命全体をテーマにするのは、そんな理由からです。
野生動物の保護を考える場合は特に自然環境と切り離して考えることは出来ません。自然環境が良い状態でなければ、彼等は生きていく事が出来ないからです。
森や海を豊かにすることは、野生動物の命を育む事に繋がります。そして、また、我々人間を育むことにもなるのです。ですから、プラーナでは、今後も更に自然環境の問題に取り組んでいきたいと思っています。
【4】 無益な殺生をなくすために声をあげ続ける
私達は決して忘れてはなりません。本当はその子の命はその子のものであり、誰も安易に意味なく他者の命を奪う権利は無いのです。例えば、生きる事が不幸だと決め付けて「生きているより死ぬほうが幸せだ」と安易にその生命を奪うのは、人間の価値観を勝手に押し付けているに過ぎません。それは時には「かわいそうで見ているのが辛いから」という自分のために行なわれる人間のエゴ・自己満足に過ぎなくなる危険性もあるのです。
動物愛護の世界では、不幸な動物を減らしたいという思いからこのようなことが行なわれがちです。
我々がすべき事は、全ての生命が理不尽に迫害されないよう、その生を輝きながら精一杯力の限り生きぬけるよう、その生を脅かす不条理な事から身を守り不条理な出来事を無くしていく事であって、決して安易に生きる権利を奪う事では無いはずです。
生きるという事は喜びもあれば苦しみもあります。でもだからこそ皆精一杯自らの生を生きているのです。「かわいそう」だけで安易に手を出してはいけないことは、自然の中にも多々あります。神でも無い我々が「安易」な決めつけで他者の生命を管理しようとするのは驕りに他なりません。
主役はその生命の主。我々はただのサポーターであり、我々がそれに代わり主役となり、本来の主役の生死を支配する者になってはいけないのです。例えそれが守りたいがゆえの愛情であっても・・・
しかし、現実には確かに、現代社会に生きる犬猫をはじめとする動物たちにとっては、生きていくことは厳しく苦しい事の方が多いかもしれません。きりが無く捨てられていく全ての命を救うと言うのは決して生半可なものではありませんし、動物管理センターで殺処分されていく犬猫達も含め、この世の全ての不幸な動物達を救い生命を繋いでいくのは今の時点では残念ながら現実には不可能かもしれません。
ですから少しでも苦しみから救ってあげたい、不幸な動物達を減らしたい、という考えの元、団体や個人によって行なわれる安楽殺(安楽死処分)や、動物管理センターでの行政による殺処分は、いくら我々がそれはいけないことだ、反対だ、と叫んでも、現実の前ではそれはただの理想論と言われても仕方なく、実際今の社会の現状では残念ながら致し方ない部分もあるでしょう。我々もやりきれない現実を痛いほど知っているから、簡単に非難出来ないことも充分理解しています。
でもたとえ理想論であっても、1日も早くその理想に近づけるように、そしてその理想が現実となるように、私達は努力していかなければなりませんし、声を上げ続けていかなければならないのです。
だからこそあえて言います。私達は、病気で余命いくばくもなく生きていても只苦痛なだけの子への医療的な安楽死は別に、安易な安楽死処分や、生命をまるでゴミの処分と同じようにとらえている殺処分は反対です。
今行なわれている現実を仕方のないことだとあきらめたり、当り前のように感覚をマヒさせてしまうのではなく、いつかは無くしていかなければならないことを全ての人に常に自覚していてもらいたい、又、「その子の命はその子のものである」ことを忘れないようにしなければならないことを訴え続けます。そして理想を確かに現実とするための方法をこれからも模索していきます。全ての生命は神から与えられた素晴しい財産に他ならないのです。私達はその事をいつも忘れないように1つ1つの生命に尊敬の念を持って接していきたいと思っています。
具体的にどんな活動してるの?
【1】 啓蒙活動
・「生命の尊厳と共生」を目指し、出版(準備中)・ネットなどを通じ、メッセージ発信を行なっています。
・いろいろな事実を広く知ってもらうため、メディアに情報を提供したり、企画をたてています。
・その他、勉強会・講演会・出版物の紹介・動物や自然保護に関するイベントや企画のプロデュース等。
【2】 社会運動
・動物や自然の保護や共生社会の実現のため、行政機関や関係機関に要望書を提出したり、問題が起こった時は改善のための運動を行なっています。
(例、阪神淡路大震災の時、財産など何も持たずペットだけ連れて逃げだしてきた被災者の方が、共に苦しい日々を生き抜いてきた家族同様の動物を、仮設住宅から集合住宅である公営の復興住宅に移る際に連れていけないために、復興住宅への入居をあきらめたり、泣く泣く手放さなければならないような事態が起こっているのを受け、96年プラーナが地元発起人となり地元協力団体や全国の愛護団体などと共に全国的に署名運動を展開しました。世界からも注目され、マスコミでもたくさん取り上げられました。その結果、全国初公営住宅でのペット飼育可能住宅を復興住宅の中に作ってもらう事が出来ました。
これを機に全国的に動物飼育可能住宅が現在増えつつあり、東京都では一部の公団で動物飼育が出来るようになりました。)
・行政による動物殺処分の改善と廃止を目指した署名運動を99年より始め、現在も行なっています。
・動物実験反対運動
・畜産動物の劣悪環境改善運動
・自然保護を求める各種運動
【3】 動物・自然保護活動
・週に1回ペースで(場合により1〜4回)定期的に、「動物実験と虐待、動物管理センターでの殺処分の実態を伝える写真パネル展&里親探しパネル展」を開催し、里親探しや署名運動の他、啓蒙に取り組んでいます。
・阪神・淡路大震災後から現在に至るまで、震災で置き去られたり捨てられた動物達や捨て犬・猫を始め、年間200匹〜400匹余りの犬や猫の保護、里親探しに関わり、救済活動をしてきました。
・現在は、個人団体を問わず、里親探しをしている方々を始め広く一般に、里親探しの場を提供したり(街頭での「里親探しパネル展」やインターネットでの「里親探しwebパネル展」)、情報提供、里親探しの仲介・指導・アドバイス・協力を行なっています。
また「地域ステーション」活動において、各々の「地域ステーション」主体での、保護・里親探し活動や共生を目指した地域運動の推進を行なっています。
・猫のだまし獲りや猫捕獲事件(いわゆる猫とり)が震災後相次いだのを機に、防衛策をたて被害防止のための活動を続けています。
・里親探しにおいて、猫獲りや虐待者、無責任な人間の被害に合わないよう独自の里親探しのマニュアルを作成し、他団体や多方面に指導しています。
・飼育相談を受けたり、指導したりしています。
・オーガニックフードや自然健康食品による動物への健康アドバイスなどを行なっています。
・食問題(遺伝子組み替え野菜や添加物)、環境や全ての命に優しい医療などを考える取り組みを行なっています。
・自然保護活動(どんぐりプロジェクトなど)や野性動物の保護運動を行なっています
プラーナシンボルマークの説明
ハートは、生命・魂・生きるエネルギー・心臓を表わしています。
使われている赤色は、血の色でもあり、生きている証し、そして生命のエネルギーを表わしています。
またピンクはカラーセラピーでは、優しさ・愛を意味する色です。
その全てが1つになったプラーナのマークは「生命への限りない慈愛と優しさ」そして、また、「溢れる慈愛と優しさを内に持った生き方」を表現しているのです。
概要
・設立―――95年春
・本部事務所所在地―――神戸
・活動の範囲―――全国
・メンバー構成―――スタッフ、アドバイザースタッフ、会員
・主な活動―――動物愛護・自然保護のための啓発活動、イベント・メディア等プロデュース/各種運動/犬猫の里親探し支援・指導/その他(勉強会、安全なオーガニックフードの普及・紹介・販売、健康アドバイス、飼育相談など)/「地域ステーション」活動(犬猫の保護及び里親探し、地域活動など)
・ネットワーク―――全国主要愛護団体、自然保護団体とネットワーク提携
・会の活動費―――募金と会費制度
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